バトルロアイヤル

でした。ワじゃなくて。読み終わりました。一言でいうと、面白かったです。普通過ぎる感想ですが、とてもよくできた作品だと思いました。あれだけの登場人物を出しているのに混乱なく読めるようになっているし、人物の生い立ちやバックグラウンドなどがあまりに安易すぎやしないか、という部分もありつつも、一人一人にきちんと精彩があってキャラ立ちもしており、丁寧な描写で説得力もあり、一気に読めました。
この作品は随分バッシングされた、みたいな話が編集後記に書いてあり、記憶でもたしかそういう扱いをされていたようだったので、もっと絶望的な虚無感漂う作品なのかと思っていたのですが、基本的に倫理性は高めだったので、びっくりしました。これを批判するなら、手塚治虫火の鳥に出てくる、クローン人間殺人ゲームはいいのか?みたいな。システムがシステムが、というわりに、人々の感覚や行動は普通だし。システムの閉塞感だったら、ジョージ・オーウェルの「1984」でしょうが、こちらの方は何よりスピード感にあふれていたので、まあ難しいことを言わず楽しめばいいんだと思います。
あと、ところどころでものすごい既読感に襲われました。デジャヴュ?と思われる場面が4、5回。予告で見た映画の一場面とかでしょうか。映画も観ていないし、マンガも読んでいないのに、ぴったりそのまんま、これどこかで読んだ!というのが何回もあって、変な感じでした。もしかしたら本当に昔読んだんじゃないか?とちょっと自問。せっかくなので映画の方も観ようと思っております。坂持が北野武ということしか知らないので、誰が誰を演じているのか、楽しみです。