アンゲロプロス

レディースデイ!ということで、id:nobue氏と共に久々に映画館へ足を運びました。テオ・アンゲロプロス監督の「エレニの旅」(http://www.bowjapan.com/eleni/)。
ゴールデンウィークということもあり、上映1時間前にすでに長蛇の列という大盛況でした。

実はこの監督の作品を見るのは初めて(たぶん・・・)だったのですが、最初からずっと「うわ、本物の巨匠がここに!」という感じでした。ギリシアの歴史にあまり明るくなかったため後半は多少理解が覚束ないところがありましたが、しかしすごい作品でした、いろいろな意味で。久々にここまで本当の意味で見ごたえのある作品を見た気がしました。多少話に強引なところがなくもない気はしましたが、それを差し引いても非常に優れた映画だと思いました。

途中、あまりに作りこまれた絵のせいでまるで寺山修司の映画を見ているような気分になったり、はたまたシンメトリックデレク・ジャーマン、じゃなかった、ピーター・グリーナウェイの画面を見ているような気分になったりと、一人でクラクラきたりもしていましたが、それにしてもあのカメラワークは素晴らしかった・・・。特に最後のほうの「白布の丘」から音楽が聞こえてくるあたりは強烈でした。

例のごとくほとんど前知識なく見たため、どうして今この作品を?という疑問がありましたが、公式ページによると、当初は1本の長編で20世紀全体を描こう、という構想だったのが、膨大すぎるために結局3本に分けることになり、その第1作がこの作品になったと。ということは、次がまたあるということのようなので、非常に期待が高まります。

しかし続き物(?)映画って結構流行っているのでしょうか。たまたま自分が見たものがそうだっただけかもしれませんが、一昨年、去年あたりから見た新作映画で印象深いものに結構あったような・・。といっても、キル・ビル(1と2)、ロード・オブ・ザ・リング(3部作)、ドッグヴィルアメリカ3部作)くらいしか思い浮かびませんが。


そして今日知ったのですが、新文芸座にて今月ソクーロフオールナイトがあるようで!(http://www.shin-bungeiza.com/allnight.html
劇場で見逃した作品が多いのでぜひとも見たいところですが、確実に寝る!というこの企画。我慢比べでしょうか(笑)普通に昼間に1本ずつかけてほしい・・・。
さらに、その前の前の週のタルコフスキーも、まず寝るでしょう!
これで一瞬たりとも意識の飛ばない人がいたら本当に表彰ものだと思いますが、そういう割引制度があればいいのに。まあ私は確実に脱落しますが・・・。