ドライヤー最終日

今日で最後なので、ユーロスペースへ行って参りました。カール・ドライヤー『怒りの日』です。友人らと4人で行ったのですが、平日昼間にもかかわらず若干立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。
魔女狩りの時代を舞台にしたものですが、ジャンヌとはまた全く別の、主題としてはどちらかというと『ゲアトルーズ』に通じる作品で、こちらでも女性の撮り方が素晴らしかったです。緊張感の漲る屋内での完璧に構成された画面と、叙情味溢れる光に満ちた屋外のショット、ものすごい迫力の老婆たちと、黒と白の服に身を包んだ牧師たち。主人公の女性の静かに諦めたような涙が非常に印象的だった最後の決裂の場面と、なんだかすごい映画でした。冒頭で流れ、それからも数回歌われる、怒りの日に〜神の裁きが云々、という歌も、恐ろしい雰囲気を醸し出していました。それにしても、昔はあんな穢れのなさそうな少年達に、老婆がぎゃあぎゃあと叫び声をあげながら焼かれるような目の前で歌を唄わせたのですね、、、。確実になにかが歪む気がして、心配になりました。