紅天女

私が小学校低学年の頃、母親が初めて買ってきてくれた漫画が『ガラスの仮面』でした。

(同じ頃、それ以前には父の部屋に全巻揃っていた横山光輝先生の『三国志』をはじめ、中国歴史ものマンガを繰り返し読んでいた私のために父が初めて買い与えてくれたのは、御茶漬海苔先生(http://www5a.biglobe.ne.jp/~ochazuke/)と犬木加奈子先生の怪奇ホラー漫画でしたが。)


その頃から断続的に20年近く読みつづけ、既に紅天女もリアルな伝説へとなりつつある今、『ガラスの仮面』の最新刊・第42巻がとうとう発売されたということで、早速本日買ってきて、一瞬で読了。

数年待ったのに読むのは数十分、というこの落差に爽快感すら覚えます。恐らく次はまた数年後でしょう…。しかもまだまだ終わりそうな気配もありませんし!


そしてこのところめっきりスピリチュアルな方向へと足を踏み入れられたかに見えた美内先生ですが、最新刊では携帯電話(しかも私ですら持っていないカメラ機能付きの!)が大活躍するなど、「現代」を感じさせるディテールがあちこちに散りばめられ、その遠近感、というか歪んだ(としか思えない…)時空間にクラッときました。


美内先生に一体なにが…?


そして、特に気になったのが、桜小路君。


携帯使いすぎ!!!!


いつまで携帯見てんだよ!!!!と何度も突っ込みたくなりましたが、案の定携帯を見ながら階段を下りていて人にぶつかり、しかもその大切な携帯を落とすなど、おまえさま、歩いてるときくらい顔上げて前向けや!!と誰か一言言ってやった方がいいのでは、という場面が盛りだくさんです。


もしかして美内先生、この連載を描いていらしたときは携帯電話を買ったばかりで、ハマっていらっしゃったのでしょうか……?
もしくは、桜小路君、後に携帯を見ながら横断歩道を渡ろうとして車に跳ねられる、などのなにかプロットがあるのでしょうか??そのためのなにか前フリ……???


いずれにせよ、これが一体いつの時代のお話だったのか、さっぱり分からなくなりました。
もしかして美内先生の中では、作品の中で流れている時間と、ご自身の生活していらっしゃるリアルな時間とが既に相互浸透していらっしゃる?


だんだん本当の意味で凄い漫画になってきているように思います。


そして、伝説へ……