神よ!

先ほど気づいたのですが、本日クリスマスイヴなのですね。
キリスト、というと蘇る思い出がひとつ。


高校のころにアメリカへ10ヶ月ほど交換留学に行っていたのですが、もちろん最初の頃などロクに英語ができるわけでもなく(かといって最後まで大して上達したわけでもない、という事実は措いておいて)、向こうの高校で必修以外の授業を選ぶ際、なるべく英語を使わないで済む楽なものを、という意図の元に選んだ授業の一つに、「コンピューター」がありました。


それまでパソコンなどというものに触ったことも無かったウブな私は、当然最下級クラス。その授業でやったことといえば、ほとんどタイピング練習と、ごくごく簡単なプログラミングとも呼べないような(線を出したり、足し算をやらせたり、そんなの)、なんといいますか、ほとんど「パソコンと遊ぼう」状態でした。

で、そのプログラミングの授業時。つらつらと黒板に書いてあるとおりに打ち込んだら、最後に「ロードと書いてロードしてください」と先生が仰いました。

無事にロードするとどうも音が鳴るような仕組みになっていたようなのですが、言われたとおりに何度やっても、私だけできません。どこか打ち間違えたかと何度見直してみても、間違いは見当たらず。

クラスの人々がキャッキャキャッキャとやっている中、いつまでも鳴らないパソコンを前に次第にうつむきの度合いを深める私を気の毒に思った隣の席の男子(お調子者キャラ)が、どれどれ、とモニターを覗き込み、私の打ち込んだ文字を確認してくれます。

おかしいな、あってるよ、もう一度ロードしてみて、と言われたそばから、私が「ロード」コマンドを入れるのを見ていた彼、突然爆笑。


私が何度も懸命に打ち込んでいたのは、よくあちこちで見かける気がしていた「lord」。


goo 英和辞書より

load:【コンピュータ】(主記憶装置にプログラム・データを)書き込む, ロードする
lord:(the L-) 神; (the 〜 またはour L-) 主, キリスト


「Oh Lord!!!」などと叫びながら爆笑していたその男子がわたしに向かって賛美歌のようなものを歌い始めたときには、きっといま世界中で最も孤独なのは自分だ、との思いが心中を渦巻いたこと、今でも忘れておりません。