梅見

昨日は、お着物で梅を見ながら新宿御苑散策、という予定でしたが、いざ母の着物に袖を通してみたところ、七部袖?という具合で、母からは「あり得ない」とのお言葉を頂き、結局洋服で御苑に駆けつけました。
自分で着付けたという着物姿の友人たちと、甘酒を飲み、茶巾寿司を食べて、芳しい梅の香と共に大量に舞っていると思われる花粉の中を、私だけ眼鏡マスク着用で歩き回りました。
新宿御苑は初めて行ったのですが、中には日本庭園のほかに、イギリス式庭園、フランス式庭園などがあり、中でも庭園といいつつひたすら黄色の枯野のようなものが視界一杯に広がるイギリス式庭園は、まるで諸星大二郎の世界を思わせる悪夢のようで、ドロリとした異質な空気を放っておりました。苑内の温室の閉室時間(3時)にはぎりぎり間に合わず、中に入ることができませんでしたが、温室の入り口の「本日は閉まりました」といったような立て看板の前で、「えー、もう閉まっちゃったんだー!」などと悔しがる人々に背を向けて入り口の門に鍵をかけていた係員のおじさん(60過ぎ)の顔が、ニヤリとした得意げな表情に輝いていました。彼が仕事のあの瞬間にやりがいを感じていることは間違いないと感じられました。なんにせよ、やりがいがあるというのは良いことです。お体に気をつけてお仕事頑張って下さい、と思いました。